サイズが大きくカラフルな相撲のぼり

のぼり旗は様々なシーンで利用されていますが、一般的なのぼり旗とは異なる特徴を持っているのが相撲のぼりです。

大相撲の本場所で会場前に設置されている相撲のぼりは、相撲に興味がない方でもテレビなどで一度は目にしたことがあるかと思いますが、その最大の特徴は大きくてカラフルなのぼりであることです。

大相撲会場前にのぼりを設置

一般的なのぼり旗のサイズは幅60cm×高さ180cmほどですが、大相撲で掲げられるのぼり旗のサイズは幅70cm×高さ540cmなのでかなり大きいと言えます。

また色使いもカラフルなので、子供にも大人気な存在となっていますが、大相撲で使われるのぼり旗が大きくてカラフルなのは宣伝や会場の雰囲気を盛り上げるためだとされています。

そもそも、相撲でのぼり旗が設置される習慣は、江戸時代に行われていた勧進相撲のころからありました。勧進相撲とは、寺社の本堂や山門などの建て直しなどに使う費用を捻出するために開催されていた相撲で、戦国時代から行われていたそうです。

この勧進相撲を盛り上げるために立てられるようになったのが相撲のぼりなのですが、こののぼり旗は縁起物のため場所ごとに新しいものが作られます。使い終わったのぼり旗は、暖簾やはんてんなどにリメイクされることもあるそうです。

相撲のぼり特有のルールとは?

興行のぼりとも呼ばれる相撲のぼりには、一般ののぼり旗にはない特有のルールが数多く存在します。

相撲のぼりは中央部に力士名、下部にスポンサーやタニマチの名前が書かれることが多いのですが、力士名には黒を使わない、スポンサー名には赤を使用しないのが基本です。

これは、力士に黒星が付かないように、スポンサーが赤字にならないようにという意味が込められています。

勝負に茶々を入れたり、水を差さないようにという意味を込めて、のしの部分に茶色や水色を使わないのも特徴的です。加えて、のぼり旗に書かれた力士名をよく観察してみると、名前の文字がやや右上に傾いているのが分かりますが、これは成績が右肩上がりになるという願いが込められています。さらに、のぼりを見上げたときに全ての文字が同じサイズに見えるように、上の方に向かって文字が徐々に大きくなっているのも特徴のひとつです。

また、相撲のぼりは職人が一つひとつの文字や絵を手書きして色を染めて作られるのですが、力士名を下書きする際は1文字70cm四方の升目が用いられます。

ジャンボサイズのぼり

これは、相撲会場の見物席である桟敷に見立てているのですが、桟敷に見立てた升目いっぱいに文字を書くことで、会場がお客さんでいっぱいになるようにという願いが込められています。

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